心拍数を基準にフルマラソンを走る!
ー練習不足でも体力の温存は可能か?ー

11月25日に開催された「第2回大阪マラソン」。運良くも当選した私、ハッスル社員B(男性)なのですが、今年は、仕事の多忙さを言い訳に、極端な練習不足にて当日を迎えることになってしまいました。
そこで考えざるを得なかったのが、如何にして体力を温存しながら最後まで走りきるか?ということです。

レースはいつも後半失速型

私がこれまでフルマラソンを走った結果を見てみると、最初に理想とするペースで入りながらも、後半は失速し、最終的にペース配分が「右肩下がり」になる!というのがいつものパターンでした。

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右のグラフは2010年の東京マラソンを走った時のペース推移表です。赤が5kmごとの平均ペース、青が積算の平均ペースです。 この時のタイムは3時間29分だったのですが、赤の折れ線グラフを見ると一目瞭然のとおり、10〜15kmをピークにどんどん下がっていき、25km以降は5分/kmを切れていません。さらに35km過ぎからは急激にペースダウンしています。 いわゆる、前半貯金型の悪い例の典型です。私の場合、この他のレースでも大体がこんなパターンです。
ちなみに、この東京マラソンの直前の1ヶ月間は月間走行距離が220kmほどでした。

ところが!
今回の大阪マラソン前の月間走行距離は何と90km!
東京の時の4割程度しか走れていないワケです。

脚も出来ていない。心肺機能も充分でない。きっと苦しいレースになるだろうことが予想できる・・・
そこで私は、今回はタイムを狙うことは諦め、ゴールラインまでの42.195kmをとにかく楽に、大きなダメージを受けて怪我などをしないようにということを念頭に走ることにしました。自分の状態をみて、大阪マラソンをどのように走るかをプランし、その後の練習に支障の無いように走ることも大切だと思ったからです。

そのための目安にしたのが日頃の「心拍数」です。

私が日頃のジョグで楽に感じる心拍数というのはだいたい140前後です。150を超えると少し息が乱れ、160をオーバーするとハァハァと息が荒れはじめてくる・・という、そんな感じです。
そこで決めたのが次のようなプランです。

(1)140から150の間で心拍数を維持していく
(2)残り5kmの37km地点を過ぎたら、余った体力を全開にして、心拍数を180まで上げていく

このプランをしっかり守ると心に決めて、号砲とともにスタートしました。
守ると決めないと、きっとムードでぜったいに速く走ってしまう自分がいるからです。

装着したのは、ガーミンのForeAthlete 910XTJとハートレートセンサーです。

心拍数を一定に保ち、後半のために体力温存

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さて、結果はどうだったでしょう?
まず、右のグラフが心拍数の推移です。
目論見どおり140でスタートし、37kmまで、ほぼ150前後の心拍数を維持することが出来ています。

次のグラフは1kmごとの平均ペース(赤)と積算ペース(青)です。 走り始めは140をキープするよう意識していたので、8分/kmが限界でした。周りのランナーに、ものすごい勢いでどんどん抜かれていきます。 5kmを過ぎあたりでようやく呼吸も安定してきて、6分/kmくらいで落ちついてきました。

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しかし後半になると変化が出始めます。20km過ぎで大きくペースダウンしているのは給食を取るためですが、それ以降も、心拍数が少しずつ上がり始めているのに、逆にペースは少しずつ落ちてきているのが分かります。
さらに一般に「壁」と言われている30km過ぎ頃から、体力が奪われていくためか、呼吸と脚力のバランスが崩れていくのが良く分かります。34kmくらいでは7分30秒/kmをオーバーするまでにペースが落ちてしまいました。

そして37km過ぎ。これまで抑えまくっていたロックを外し、ウップンを晴らすように一気にペースアップを図ります。 丁度、スピードを上げ始めた直後にコース最大の上り坂&下り坂があったため、ペースは一気に4分45秒/kmまで上がり、さらにゴール手前では4分20秒/kmまで飛ばしまくるという、信じられないほどに体力が有り余った状態でした。

こんな展開がいつものレースで出来たら、どれほどに気持ちが良いだろうと思うほどです。結果的に、今までに経験したことがない、超右肩上がりの素敵な(?!)グラフになりました。

自分の時計で計ったネットタイムは4時間38分。全体の心拍数平均は152。

確実に言えることは、多少練習不足であっても、自分が楽と感じられる心拍数にペースを合わせれば、走行中・ゴール後ともに、ほとんど疲労感は起こらないということです。正直、こんなに楽だったレースは初めてです。タイムだけはえらくかかりましたけれど・・・

ペースと補給とクーリング

自分としての結論です。

1. 心拍数とペースはほぼ比例するが、25km過ぎにはそのバランスが崩れ始め、同じ心拍数でも意に反してスピードが失われていく。
2. しかし、ペース配分次第では後半にスピードを上げていくことは可能である。

これって、理屈的には今までも分かっていたのですが、自分の実体験としてカラダに刻み込むことが出来たのは大きな収穫でした。その為には、やはり普段の練習から心拍計をつけて、自分の体を知っておくことが必要だと実感しました。
今後の課題は、後半に余力を残しつつ、なるべく短い時間でゴールにたどり着くための、自分にとっての「最適ペース」がどのくらいなのかを見つけていくことになります

もうひとつ付け加えておくと、補給は前半からきちんと行っておく必要があると思いました。
特に今回は、練習不足による後半の体力喪失を恐れていたので、補給は最大級に行っています。
ちなみにレース中の補給回数は、アミノピュア×4回、アミノダイレクト×3回、Shotz×3回。加えて、エイドステーションにあった果物等々が少々。
これらが、後半の体力維持には相当に貢献してくれたと感じています。

そして、練習不足による脚筋の弱さを補う意味も込めて、パフォーマンスアップのためにニューハレテープをしっかりと貼りました。 今回は、腰にVテープ&Xテープ、両ヒザにVテープ、そして両足首にはそれぞれXテープ3枚重ね貼りという完全防備状態でした。これも楽に走れた大きな要因だったと思います。(写真参照ください)

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もちろん、ゴール後の荷物受け取りの直後に、更衣室内で両ヒザおよび大腿部をフィジールで即座にクーリングしたのは言うまでもありません。お陰で、翌日には筋肉痛らしきものもほとんど感じずにいられました。

さて、大阪マラソン・レポートは以上です。

自分としては、今回の収穫はとても大きなものでした。これからはレースの時も心拍計を着けて走ろうと思っています。自分のリアルな心拍数を知ることは、走りながらレース戦略を練り直していくためにも絶対におススメです。

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