ガーミンForeAthlete910XTJ vs エプソンSS-500
ーこの差をどう捉えるかが機種選定の分かれ道!ー

やってみました!久しぶりのGPSウオッチ対決です。

比較実験したのは、ともに今秋発売になった、ガーミンの長時間バッテリー搭載の最新機種ForeAthlete 910XTJと、エプソンが満を持して投入したSSシリーズのミドルモデル SS-500の2機種です。

まず始めに断っておかなければいけないのは(いつものことながら)今回のデータはたった1回のテストの結果に過ぎないということです。同じ機種でも場所や時間が変われば違う結果が出てくるもの。今回の一度の結果だけをもって製品の性能を結論づけるつもりは毛頭ありません。この点だけはどうぞご承知おきください。

400mトラック×10周では?

さて、前書きが長くなりました。
まず計測条件ですが、ガーミンとエプソンの2台を両手に装着し、ほぼ同時にスタートボタンを押し、400mトラック×10週=4kmの走行を一発で計りました。ちなみに走った場所は、東京練馬の運動公園にある400mトラックです。周囲に高い建物が無い、GPS信号を受信するには最適な環境です。
(ForeAthlete910XTJ(下)とSS-500(上))

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結論を先に言ってしまいますと、ここまで差が出ることになるとは正直予想していませんでした。走っていても計測精度が明らかに違うという印象を受けてしまったのです。

ガーミンForeAthlete910XTJの方は、1周してスタートラインを通過する時点のほぼライン上で400m-800m-1200m-1600m・・・という数値が表示されるのを確認できました。もちろん1kmの自動ラップもジャスト2周半の位置で切れました。
これに対してエプソンSS-500は、1周ごとの距離計測が本来の400mよりも多めにカウントされているような印象です。事実、1kmの自動ラップは2周半の場所より70〜80mほど手前で切れていました。
結果、10周を走り終えた時点での両者の計測距離は以下のとおりとなりました。

ガーミンForeAthlete910XTJ : 4.01km
エプソンSS-500   : 4.55km

ガーミンの計測結果は4.01kmとなっていますが、実際の所、4.00から4.01に数値が繰り上がったのは、ゴールラインの1m手前でした。
エプソンは4kmに対して4.55kmなので、13%以上の差異があります。これがフルマラソンではどう出てくるのか・・・?

計測距離が変わるということは、ペースが変わって来てしまうということですから、レースを本気でペース管理しながら走ろうと思っている場合は、考えどころですね。ハッスル社員も今度、レースでも両方つけて実験して来たいと思っています。

では、そのペースの推移表を見てみましょう。前半にグラフの乱れがあるのは、靴ひものゆるみを締め直すのに少し立ち止まったためです。

一定のスピードを保って走ったつもりだったので、ガーミンはほぼ気持ちどおりのグラフとして描かれています。(下:ガーミンForeAthlete910 ペースグラフ)

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エプソンは6分/kmから4.5分/kmの間を上下していますが、自分としてはここまでペースは乱れていないと思うので、やはり数十m単位での距離計測がガーミンほどには正確に出ていないのかもしれません。(下:エプソンSS-500 ペースグラフ)

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最後に走行ルートがどのように出て来たのかを見てみましょう。

それぞれパソコンに取り込んで表示された走行ルート図を示しました。
違いは歴然です。ガーミンはトラックのライン上にほぼ重なるように10周分の走行跡が描かれていますが、エプソンは一角が歪むようにずれていて、さらに走行跡も10周分がぴったり重ならずに幅広い線になっています。スタートとゴールの場所も微妙にずれています

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この違いはどこから来るのでしょう?
ひとつの要因として考えられるのは、衛星との交信間隔に違いがあるという点です。

聞く所によると、ガーミンは1秒ごとに衛星と交信しているのに対して、エプソンは3秒ごとに交信しているとのことなので、その分(単純に言えば3倍)ガーミンの方が衛星の補足精度が高いということなのかも知れません。交信回数を減らした方がバッテリーの持ちが良くなるということなのでしょうか?
ただ、これはあくまでも私の推測の域を出ないので、ご参考までに。

さて、今回の計測結果はおよそこんなところです。

予想以上に差の出る結果になってしまいましたが、ひとつ言えることは、ガーミンの測位精度の進化には目を見張るものがあるということです。数年前と比べて格段の精度向上がはかられていると感じます。

しかし、今回比べた2機種は、価格自体がだいぶ違いますので、どちらを選ぶかは、使う方ご自身のニーズに合わせて、コストパフォーマンス比較をして決定するべきでしょう。

繰り返し言いますが、一度だけのテストですので、このデータだけで判断されることは絶対にしないでいただきたいと思います。今後ハッスルでもさらに実験をしていきたいと考えています。乞うご期待。

心拍数を基準にフルマラソンを走る!ー練習不足でも体力の温存は可能か?ー

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