マラソンで消費されるエネルギーについて考えてみましょう。
世界トップレベルのランナーは42.195kmを2時間ちょっとで走ります。しかし、私たち市民ランナーは、4時間、5時間、場合によっては制限時間ギリギリの7時間でゴールする方もいるでしょう。もしスタート時間が午前9時だとして、仮にゴールまでに4時間かかるとした場合、午後1時まで何も食べずに走り続けることになるのです。ましてやフルマラソンを走りきるために必要なカロリーはおよそ2500kcal。普通に生活していてもお腹がすいて力が入らなくなる時間なのに、わずか数時間でこれだけのカロリーを消費しているとなると、普通の朝食だけではゴールまでエネルギーがもつわけがありませんね。ましてや、ゴールまでに5時間、6時間かかる場合は尚更です。これがレース中に補給が必要になる最大の理由です。
レース途中で力尽きないためには糖質補給が非常に大切ですが、もうひとつのポイントがアミノ酸です。アミノ酸補給は、壊れた筋肉の修復を助けるためにとても重要となります。
ヒトのカラダは約10万種類のタンパク質で構成されていると言われています。そしてそれらタンパク質は、たった20種類のアミノ酸の組み合わせによって成り立っています。アミノ酸を大きく分類すると、カラダの中で合成できる「非必須アミノ酸」とカラダの中では合成できない「必須アミノ酸」の2つに分かれます。「非」という言葉はあまり適切ではないのですが、要はカラダの中で作られるので、必ずしも対外から摂取しなくても良いといった程度の意味です。