
Nike+ SportWatch GPSとGarmin ForeAthlete 610の比較レポートも、今回の「操作性と使い勝手」でひとまず終了です。ただ、あまりにも長くなってしまったので、時計本体の操作性と、データ管理用のWEBアプリの2回に分けてお届けします。まずは本体編から!!
(1)デザイン

ナイキ:
デザインはご覧のとおり個性に溢れています。文字の配置もさすがはナイキ!という感じ。しかも、スポーツウオッチの画面の背景を黒にしてしまうなんて!!(反転も可能です)
ガーミン:
どちらかというと質実剛健、機能優先、シンプルといった感じのデザインと言えばいいのでしょうか。
しかしながら、こればかりは好みです。購入を検討する時には、デザインも機能性に劣らないくらい重要ですからね。特に女性はナイキのデザインに魅かれる方も多いかもしれません。
いずれにしろ、本体の厚みやバンドの質感もそれぞれ微妙に違いますので、可能であれば自分の腕に実際に巻いて、それぞれの着け心地を試してみると良いと思います。
(2)画面の見やすさ
写真はランニング中の表示画面です。

ナイキ:
ひとつの画面に表示できるデータ数は、2つのみの固定です。
中央に表示される文字のサイズが圧倒的に大きいです。背景の色はお好みに応じて黒と白を反転して表示することが可能。文字は設定も含めて、すべて英語のみです。
ガーミン:
ひとつの画面には最大4個の項目を選んで割り付けることができます。写真は2項目に設定して、タイムと距離を表示させたもの。文字の大きさはナイキより小さいですが、画面デザインはシンプルなため、漢字による表示でも日本人としては見やすいと思います。
(3)操作性

写真は設定画面のトップメニューです。
ナイキ:
至ってシンプルです。それもそのはず。
ガーミンは機能の設定を基本的に時計本体で行うのに対して、ナイキはほとんどの設定をパソコン上で行うという、全く正反対の操作方法なのです。
それにより、ナイキは時計本体で行える操作を絞っています。とにかくシンプルにまとめあげているという印象を受けました。機能を絞ってあるため、特にマニュアルを読まなくても操作に迷うことはほとんどないでしょう。(事実、ナイキはマニュアルがオンライン版しかなく、それも極めて簡単なものです)
ガーミン:
走って距離を測るという基本操作はナイキと同様に簡単で、わかりやすいです。
しかし、ガーミンにはそれ以外にも多くの便利な機能が備わっています。そのため、多彩な機能を使いこなす場合は、目的の機能がどうやれば設定できるのか、少しだけ勉強が必要です。付属のマニュアルは、細かく説明された充実の内容になっています。 とは言え、メニュー構成がとても分かりやすく作られているため、操作に悩んでストレスを感じるようなことはないと思います。
いずれにしろ、本体の操作自体は、ナイキ、ガーミンともに直感的に操作できるという点では遜色ないというのが個人的な感想です。
(4)画面レイアウト
ランニング中の画面レイアウトもそれぞれ特徴があります。
ナイキ:
先ほど画面の見やすさのところでご覧いただいたように、ナイキは1画面固定で、2つの項目を同時表示できます。ただし、上の小さい表示項目は、ボタン押し、もしくは自動スクロール設定により、ペース、距離、経過時間、ラップタイムなど、最大7項目までのデータを順次表示することができます。 設定はパソコンにつながないと行えません。

ガーミン:
ガーミンForeAthlete610は1画面最大4項目を、最大4画面まで設定して、スワイプで切り替えられます。(全部で最大16個のデータが表示可能!!)
それぞれの枠に表示される項目をおよそ50種類の中から自由に選んで割り当てることができるという高い機能性はすごいと思います。

(5)手動ラップ時の操作
ナイキ:
手動ラップは画面をタップすることで切ります。タッチではなく、タップです。指で叩くのです。なので、ポンと触れた程度では反応せず、トーンッ!と結構思い切り叩く必要があります。でも何度かやってみれば慣れると思います。
ガーミン:
右下のラップボタンを押すことで手動ラップが切れます。その際、電子音とバイブレーションで反応します。ボタンなので、“押した感”は感じやすいと思います。ボタンは、うっかり間違って押してしまわないような場所についています。
(6)自動ラップ時のお知らせ
ナイキ:
音で知らせます。音は少し小さめ。音楽を聴きながらなどのランニングの際にはわかりにくいと感じました。
ガーミン:
音とバイブレーション、音無+バイブレーション、音だけの3つから選べます。このバイブレーション機能がガーミンForeAthlete610のメリットのひとつだと思います。私自身はこの機能が非常に気に入っています。走りに集中出来るし、ラップが切れた瞬間にタイムなどを見逃すことがないというのは、一度使ったらヤミツキになります。
(7)時計本体での履歴確認画面
走行履歴の確認画面を比べると大きな違いが見えます。

ナイキ:
距離、ペース、カロリー、ラップタイム(スクロール表示)の4項目だけが表示され、数秒で時計画面に戻ってしまいます。じっくり確認する時間はありません。
おそらくナイキの場合、履歴確認もパソコンで見るというのが基本スタンスなのだと思います。
ガーミン:
アクティビティ(走行単位)ごとにラップの詳細まで確認することができます。次のラップへは画面を指でスワイプで移動します。日本版だけの機能です。
ご参考までに、下記表がそれぞれの時計本体での表示項目です。

(8)気になる点について

ナイキ:
レポートの第2回でも書いたように、ナイキは本体の機能設定がパソコンでしかできないということ、充電はパソコンにつないで行うということに少々難を感じます。外に出た後でラップ設定を自動から手動に切り替えようと思っても、その場ではできないというのは結構ネックになる可能性があると思いました。
充電のために、遠征に出る時にもパソコンを持っていかないと不安が残る方もいるでしょう。

ガーミン:
使ってみるととても便利な機能が、盛りだくさんに用意されているのですが、それらを習得するには少し勉強が必要です。以前の記事(ガーミンForeAthlete610は距離とペースが計れるだけではなかった)で書いたような「ひとりビルドアップトレーニング」なども出来てしまいますが、先日セミナーで参加者に伺ったところ、実際に使っていらっしゃる方は少なかったです。
次回は、操作性と使い勝手 アプリ編です。