GPSウオッチ徹底検証!ナイキとガーミン <その3>
走った距離は果たしてどう記録された!?

お待たせいたしました。
いよいよNike+ SportWatch GPSとGarmin ForeAthlete 610の走行テストのレポートです。

ナイキの数値について

いきなり結果をお見せします!!
と言いたい所ですが、走行データの数値に関して、どうしても事前にお断りしておかなければいけないことがあります。
それは、ここで掲示した実験結果の「ラップ距離」のうち、ナイキに関しては、正確な数値ではなく「おおよその数値」であるということです。

なぜなのか?というと。。。

今回の比較走行テストは、距離が正確に分かっているルートを走って、定点で手動ラップを押し、その計測値=距離がどう出てくるかを比較しようというものです。ところが、ナイキの時計本体上の履歴画面(history)には、現状では「ラップ距離」という項目がありません。WEBアプリのNike+(ナイキプラス)にデータをアップロードして、詳細データページを開いても、「ラップタイム」と「ラップの平均ペース」は表示されるのですが、ラップ距離データを見ることはできませんでした。 いろいろ試したのですが、私の探し方が足りないのか?結局ラップ距離を参照する方法はわかりませんでした。

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ですから、ここに記したナイキのラップごとの距離は、履歴管理アプリNike+のグラフ上のラップ地点に示される積算距離から、私が逆算して求めたものです。さらに、そのNike+の距離表示は10m単位でしか表示されないため、1mの単位は0(ゼロ)で表記を統一しました。よって、表内では「≒(ニアリーイコール)」という表示方法にしました。(ちなみにガーミンでは、時計本体では1m単位まで、アプリでは10m単位で表示されます)

さて、能書きはこれまでにして、データを見ていきましょう。

実験(1):400mトラック×5周 ⇒ 1周ごとに手動ラップ

Nike+ SportWatch GPSとGarmin ForeAthlete 610の2台を、両方とも左腕に装着した状態で、400mトラックを5周しました。

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スタート地点に戻ってきたところで2台のラップボタンを手動でほぼ同時に押します。ちなみに、ナイキには標準でフットポッドが付いていますが、今回のテストは時計本体のみで行いました。

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1周ごとのラップ距離データの比較が下の表です。
テスト走行は、実際にはトラックの内縁より少し離れたルート上を、歩いている人などをよけながら走りましたので、1周あたり400mジャストではなく、プラス数mの距離を走っていると推定されます。

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結果としては、決定的な差はないものの、ナイキの数字のバラツキの方が少々大きいようです。ガーミンは比較的安定した計測距離になっているように見えます。

ガーミンの測定結果には400mを下回る数値は無く、最大値と最小値の差が16m(走行距離に対して3%)という点は評価できるなと思いました。(ナイキは50m、10%)

実験(2):500m直線コース×4往復 ⇒ 500mごとに手動ラップ

実験1の走行ルートは、曲線のトラックの内縁より少し外側を走るため、距離は400mより多く走っている可能性が高いです。そこで、距離を正確にするために、直線コースで試して見ました。距離は500m。事前にジョギングシミュレーターできっちり500mになるコースを確認し、そこを4往復しました。
さらに今度は、GPS信号をキャッチするスピードの性能を探るため、意図的にラップ5とラップ7でスピーアップ、ラップ6とラップ8でスローダウンしてみました。

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8ラップ分の計測距離データが下の表です。
折り返し地点で180度方向を変えているせいなのか、距離は全体的に少なく出ています。もしかするとパソコン上の地図で確認しただけなので、実際の距離が500mよりも短かかったのかもしれません。 これまた両者には大差はないものの、細かく言えばガーミンの最大値と最小値の差が17m(走行距離に対して3%)と比較的小さい値になっています。

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スピードの変化で揺さぶりをかけた注目のラップ5〜8ですが、ガーミンの方が若干ながらブレ幅が少ないように思えます。ただ、これもナイキの距離データが≒(ニアリーイコール)になっている点、たった1回の計測データであるという点から、断言はできませんが…
2台の総走行距離の差が4kmで100m出ているという結果を見ても、今後さらにデータを取っていくとどうなるかを知りたいと思いました。(すぐに次のテストに取りかかるのはちょっと難しいかもしれません・・ごめんなさい)

実験(2):500m直線コース×4往復 ⇒ 500mごとに手動ラップ

最後は、自動ラップを1kmで設定して、400mトラックを10周したデータの比較です。それぞれが1kmと判断して自動ラップを切った地点でのラップタイムの一覧です。

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正確なペースがどうだったのかをこれだけで読み取ることはできませんので、どちらのラップタイムがリアルな結果に近いのかは判別できません。ただ、実際に走った私の個人的な感想を言わせていただければ、ナイキのデータの中で、ラップ1よりも、ラップ3と4のペースの方が遅いというのは少し違和感を感じました。

なぜならば、走りはじめより、後半の方が若干ながら自然にペースアップしているような感覚で走っていましたので、どちらかというとガーミンの数値の方がしっくりくるというのが率直な感想です。 しかしながら、これも個人の感覚的なもの。客観的な判断ではありません。あくまでも、実験に対する個人的な感想と受け取っていただければ幸いです。
何度も言いますが、この結果だけをもって断定的な結論を与えることは絶対にできませんので。

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今回のテストは、皆様の参考となるようなデータを短時間で用意しようと、取り急ぎ、たった3つの走行データを取ったものに過ぎません。

GPSウォッチをお持ちの皆さんは、是非いろいろ試されてみてはいかがでしょうか。自分のGPSウォッチのクセを知っておくと、レースの時などにも役立てることができると思います。

次回は、長く使う為に大切な操作性や使い勝手について見ていきたいと思っています。お楽しみに。

GPSウオッチ徹底検証!ナイキとガーミン <その4>操作性と使い勝手「本体編」

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