生まれ変わった東京マラソン2017を試走する
さあ、新しいコースに生まれ変わった東京マラソン2017の開催までいよいよ3週間を切りました。
そこで、ガーミンのルートナビ機能を使って、新しくなったコースを試走してまいりました。
ガーミンのルートナビとは、データ管理ポータルであるGarmin Connectであらかじめ走りたいコースのルートマップを作成し、それをガーミン本体に転送しておくことで、曲がる場所や曲がり角までの残り距離などを、走っている最中にガーミンが逐一指示してくれて、コースを間違えずに目的地まで辿り着けるという非常に便利な機能です。ForeAthleteですと735XTJと920XTJに搭載されています。
今年の東京マラソン2017の新ルートをGarmin Connectで「コース」として作成したのが以下のマップです。コースの作り方などの詳細は、ハッスルランニングでForeAthleteをご購入された方にプレゼントしている「ガーミン使いたおし読本」でもご紹介しています。
さて、東京マラソン2017は、ゴールが東京駅に変更されるということで、コース編成も大幅に改変されました。
特に、日比谷から品川までの折り返しコースは、昨年までは10km〜20kmの区間として設定されていましたが、今年の新コースでは31km〜41kmのあたりというレース後半の最もきつい区間に置かれています。
この品川折り返しの道はほぼ真っ直ぐで、比較的単調で飽きやすいという印象があるのですが、新しいコースでは大きなメリットもあります。それは、従来レース後半で走っていた築地〜豊洲〜有明へと抜けるコースは橋が多く、高低差が激しいコースだったのに対し、日比谷〜品川はほぼフラットであるという点です。これはレース後半に体力を奪われず、スピードを落とさず走れる可能性があるということですね。
今回のレポートでは、特に今年から新たに加わった初お目見えのルート3カ所に絞ってご紹介したいと思います。
神田・日本橋ルート
東京マラソンはこれまでも、東京の名所をめぐるルートがうまく組み込まれていましたが、今年の新ルートはさらに様々な東京名所を訪れることになります。
まず、飯田橋から南へ下り、専修大学前の交差点に差し掛かったところから大きくルートが変わります。
昨年までは専大前交差点を真っ直ぐに皇居方面に向かって突っ切っていましたが、今年からはこの交差点を左折し、靖国通りに入ります。
この通りをしばらく走っていくと見えてくるのが、神田古書街です。道路右手に小さな古書店がずらりと店を構えています。毎年10月に開催される「神田古本まつり」は今や東京名物のひとつにもなっていますね。
さらに進むと、神田スポーツ店街に突入します。ウィンタースポーツのメッカとして知られ、大小のスポーツショップが立ち並んでいます。
前方のビルの間から東京スカイツリーの展望台が頭を出しています。
靖国通りを神田須田町の交差点まできたら、コースは右に曲がります。
須田町の交差点の右側角に、現在、ホテルドーミーインが建設されています。ここにはむかし「万惣」というフルーツパーラーの名店がありました。
万惣に行ったら外せないメニューが、作家・池波正太郎も愛したというホットケーキでした。他では味わえない絶品のホットケーキだったのですが、残念ながらビルが耐震基準を満たしていないという理由で取り壊しになり、2012年に惜しまれつつ閉店しました。
須田町を右折して、中央通りを真っ直ぐに進むと、まもなく見えてくるのが神田駅の高架です。
ちなみに、今回の新コース試走では、ForeAthlete 735XTJを使用しました。
ルートナビ機能を活用すれば、あと何メートル走ったら曲がれば良いかなどを細かく指示してくるので、曲がり角を間違えるということもありません。
神田駅の高架をくぐってさらに進むと、右手に日本橋三越が見えてきます。
そして、三越前を通過すると、目の前に、日本の道路の始点であり国の重要文化財となっている「日本橋」が現れます!
橋の上を渡るだけではその石橋としての美しさが分からないのが残念ですが、ここも間違いなく東京の名所旧跡のひとつと言えるでしょう。
上に首都高速の高架が掛かっているため、殺風景で一見なんてことはない道路なのですが、せっかくなので味わって渡りましょう。
日本橋を通過するとすぐに左折です。ここからは、従来の東京マラソンで走っていた浅草に向かう下町ルートに突入します。
両国・深川周回ルート
次にご紹介するのが、浅草を通過したあとに向かう初のコース、両国・深川周回ルートです。門前仲町まで行って同じ道を折り返してくるコースになります。
昨年までの東京マラソンは、浅草周辺は通過するものの、隅田川を越えた向こう側の下町を走るというルートの設定がありませんでした。しかし今年からは、“いかにも下町”という風景の中を走ることができるのです。
浅草を折り返して、江戸通りを南下してくると右側にバンダイの本社ビルが見えてきます。ここまでは従来どおりです。
バンダイ前を通過して800mほど進むと、蔵前橋通りと交わる交差点に出ます。ここを左折していよいよ隅田川を渡ります。
隅田川を渡る前に、左側に白壁の小さな蔵のような建物が現れます。これは、東京都下水道局の蔵前水の館という施設です。
実はここ、いまではすっかり忘れられてしまいましたが、「蔵前国技館」があった場所なのです。昔は東京の名所のひとつでもあったのですが、いまでは人通りも少ない静かな通りになりました。
さあ、蔵前橋を渡ります!
渡り始めると左手に大きく見えてくるのが東京スカイツリーです。その左側に見える白いビルは、歯磨きや洗剤のライオンの本社です。
蔵前橋を渡りきって少しくだると、石原一丁目の交差点が見えてきます。コースはここで右折します。清澄通りです。
このあたりの住所は横網町と言います。これ、「よこあみ」と読みます。両国国技館の近くにあるので、よく「よこずな」と間違えられます。でも、しっかり字を見ると「つな(綱)」ではなく「あみ(網)」なのです。
横網町公園前という交差点がありますが、じっと字を読もうとして転んだりしないようくれぐれもご注意ください。
しばらく走ると、江戸東京博物館の大きな姿が右手に現れます。
この建物の向こう側に両国国技館があるのですが、走行ルート上からだと江戸東京博物館の裏の方にチラリと見えるだけです。国技館も東京の名所のひとつだけに、ちょっと残念ですね。
さすが、両国。ちゃんこ料理の店も軒を連ねます。
京葉道路との交差点にキングサイズ専門店「ライオン堂」があります。創業明治40年の老舗です。さすが大相撲のメッカ。この店も下町の雰囲気を大いに感じさせます。この交差点は真っ直ぐに突っ切ります。
清澄通りを1.4kmほど進むと、森下の交差点です。交差点の四隅には商店街のシンボルである火消し纏(まとい)が立てられています。いかにも下町の景色が続きます。ここもそのまま真っ直ぐ。
大江戸線清澄白河の駅前を通過すると、右手に清澄庭園が見えてきます。東京都指定名勝に指定されている都立の庭園です。三菱の創業者である岩崎弥太郎が買い取って接待に用いていたというだけあって、なかなか壮麗な庭園です。マラソンのルートからは中の様子は伺えませんが、機会があればぜひ!
少し走ると、左手に深川ゑんま堂が見えます。高さ3.5mの日本最大の閻魔大王座像が置かれていますが外からは拝めません。お賽銭を入れると仏様が有難い説法を聞かせてくれるというハイテクなシステムまで用意されていますので、試しに一度訪れるのも面白いかもしれません。
さあ、いよいよ門前仲町の交差点です。ここを左折して永代通りに入ります。
すぐに見えてくるのが、深川不動堂の門前通りに立つ赤い門です。深川不動堂は元禄時代に成田山新勝寺の別院として建てられた由緒あるお不動様です。
このあたりは、沿道の応援の数もおそらくかなり期待できるのではないでしょうか。
まもなく左手に現れるのが、富岡八幡宮です。そして、ここが深川コースの折り返し地点となります。
ここから、いま来た約4.5kmの道を一気に蔵前まで戻ります。
下町の皆さんが沿道から送ってくれる応援を一身に受けて、挫けることなく見覚えのある江戸通りまで戻れば、そこは25km地点。東京駅までの残り距離はおよそ17km少々です。
日比谷〜東京駅前、いよいよゴールへ
蔵前から浜町まで南下し、日本橋〜銀座〜日比谷へと昨年とは真逆のルートで戻ると、そこからは品川までの片道5kmの折り返しコースです。
昨年までは前半で走っていたコースが、今年からは最後の一番つらい時間帯になります。でも、冒頭でご紹介したようにコースはフラットですし、日比谷まで戻ってきたら東京駅前のゴールまでは残りわずかに1km少々です。
下のマップの青線で示したのが、日比谷から東京駅前のゴールまでの今回初めてとなるコースです。
日比谷の交差点です。皇居内堀を左に見ながら、銀座方面に右折します。
そして、すぐに左折して、丸の内仲通りに入ります。
ここは、いまやブランドショップのショーウィンドウが華やかに並び、両側の歩道にはケヤキなどの落葉樹がずらりと植えられ、高級感漂う一角となっています。
ただ、路面が斑岩で埋め尽くされていて、オシャレではあるものの若干走りにくさがあるかもしれません。足を取られないように注意して駆け抜けましょう。
丸の内仲通りを900mほど走ると大きく広がった通りにぶつかります。
これが、東京駅から皇居前広場へと真っ直ぐに伸びる行幸通りです。天皇陛下がお出かけになるとき(行幸)に使われる道路です。
ここを左折してゴールに向かいますが、ふと右を見ると目の前に東京駅がありますのでお見逃しなきよう。
行幸通りを真っ直ぐ皇居の方に向かって進むとこんな景色です。ここをゴールに向かって走っていくのは、きっと気持ちが良いことでしょう。
おそらく、この辺りがゴールになります。大きく手を上げてゴールしましょう!
今回の試走レポートは以上です。
東京の名所を走り抜けて、最後は東京駅を背にして皇居に向かってゴールするなんて、東京マラソンはワクワク度からもさらにグレードアップしたレースになりそうです。
当選した皆さん、頑張ってください!