FA935 vs FA735XTJ:見た目と中身を比べてみる

ForeAthlete 935が発売開始になって数週間、ハッスル社員も毎日使いまくって、これまでの機種との違いを洗い出しています。
率直な印象をひとことで言うと、FA935は、見た目や新しい機能の投入など大きな性能面での向上はないものの、ソフトウェアの使い勝手が飛躍的に高まり、直感的でストレスのない操作が出来るようになったというイメージです。見た目に変化は感じなくとも、中身の進化はとてもスゴくて、ハッスル社員は久しぶりに興奮気味で935と向き合っています。

とは言え、いざ購入を検討する際には、他の機種と比べてどちらが良いか大いに悩むことになります。
前モデルの920XTJとの比較を行われる方も多いと思いますが、画面の形も違うし、光学式心拍計の有無という分かりやすい差異がありますので、結論は早いかもしれません。

むしろ一番気になるのは、同じ丸型画面で、光学心拍計も搭載したForeAthlete 735XTJではないでしょうか。
735XTJは税別標準価格が49,800円に対し、935は57,800円です。この8,000円の差をどう考えるかなのですが、これが意外にも、どこに違いがあるのかがすぐには分かりづらいのです。
そこで、735XTJと935の異なる点にスポットを当てて見てみましょう。

見た目の違い

まず、製品名ですが、735には「XTJ」という3文字が付いています。これは「Xross(=Cross)-Training」のXTと「Japan」のJの意味で、バイクやトライアスロンなどのクロストレーニング対応の日本版モデルであるということを表しています。935の前モデルである925にもXTJが付いています。
ならば、なぜ新製品の935にはXTもJも付いていないのでしょう?
米国ガーミン社で製品名称を決定している方に聞かなければ確かなことはわかりませんが、おそらくクロストレーニング対応を今さら区別しなくてもいいだろうという意図と、製品名はよりシンプルにしたいという気持ちの表れではないかと思っています。

さらにJが外れたのは、そもそも海外版の「Forerunner」と日本版の「ForeAthlete」は、製品名自体が異なっています。なので、最後にわざわざJを付ける必要もないだろうということなのでしょう、たぶん。
そして、こうした製品名称の再構築が、日本で販売総代理店を担って来たいいよねっと社が、米国ガーミン社の傘下に入り、ガーミンジャパン社となったタイミングで行われたということなのだと思います。
ということで、735XTJも935も、共にクロストレーニングに対応した同系列の製品ライン上にあるのです。

さて、では735XTJと935の見た目を比べてみましょう。

FA935 FA735XTJ 見た目の違い

上の写真は、左が735XTJ、右が935です。
ともに丸型の液晶画面であることはあるのですが、よく見ると、左の735XTJは上下がスパッと横にカットされたように切れています。 これが全体的な見易さに影響しているかというと決してそうではないのですが、935は画面を隅々まで使えるという点で、やはり文字が大きく表示できているような印象があります。
液晶の解像度を比べると、735XTJが215×180ピクセル、935が240×240ピクセルとひとまわり大きくなっています。写真は935のデザインのせいか、あまり両者に変わりがないように見えますが、微妙に大きいのです。

ちなみに重量は、735XTJが40.2g、935が49gです。この差はおそらくバッテリー容量の違いに出ています。連続稼働時間の目安は、735XTJが14時間、935が21時間です。

すこし横道に逸れますが、935は「距離」とか「タイム」という項目表示を消して、数字だけを最大限の大きさで表示することが可能になっています。

FA935 FA735XTJ 見た目の違い

本体の厚さを並べてみると、数字上は735XTJが11.9mm、935が13.9mmとなっています。本体裏の光学式心拍計の出っ張りが、935の方が明らかに薄いにも関わらず、全体の見た目の違いは数字の差ほどには感じません。

FA935 FA735XTJ 見た目の違い

ということで、見た目にあまり大きな差異はないものの、やはり画面サイズが正円で大きくなっている点が935の外観的な特徴およびメリットでしょう。

坂道での走行距離をより正確に

次に機能の差を見ていきたいのですが、基本的な部分では、735XTJに無くて、935にだけあるという機能は大変少ないです。ほぼ同じ機能が使えます。
そこで、ここでは935だけが持つ機能についてピックアップしていきます。

まず、935には「気圧高度計」が搭載されています。
以下が、気圧を示す935の画面です。

FA935 坂道での走行距離をより正確に

気圧高度計というのは、その名のとおり、気圧差で高度を計測してくれるものです。
高度というのはある程度はGPSでも計測が可能ですが、飛行機など、より精度の高い高度計測が必要な場合には気圧高度計が用いられます。
FA935は、気圧高度計で計測した数値をベースに、GPSのデータで自動的に補正をかけて(自動校正)、高度を導き出しているそうです。何だかスゴいですね。

では、気圧高度計が搭載されていると、何ができるのでしょうか?
ずばり、坂道を登っている時の距離やペースがこれまで以上に正確に測れるということです。
それが、935のトレーニングの設定でオン/オフの切り替えができる「沿面距離」と「沿面速度」です。
「沿面」という言葉は普段あまり使わないのでピンときませんが、斜面のことを意味しています。
高度を計測できないGPSウオッチでは、坂道を登っても、その斜面の実際の距離ではなく、平面部分の距離しか計測されません。つまり、三角形の斜辺ではなく、底辺の部分で距離が計られるということです。
これですと、坂道では、実際に走っている距離よりも短く計測されてしまうという現象が起こります。その結果、スピード(ペース)も正しい値で記録されないことになります。

これに対して気圧高度計を搭載した935では、標高差を考慮した斜面(沿面)の距離と速度をより正確に計測するように設定できます。
トレイルランニングに挑んでいるランナーにとって、この機能向上は見逃せません!!

また、935には、表示ページの設定に「自動クライム」という項目があります。
これは、坂道を登ったり降りたりし始めると(つまり高度が急速に変化した時に)、画面表示が自動で登坂モードに切り替わるという機能です。
この時、カラー反転の設定をオンにしておくと、登坂時に切り替わった画面の背景が黒色にスイッチしますので、非常に分かりやすいです。このカラー反転が、気合いが必要な坂道で、気持ちに喝を入れてくれるかもしれませんよ。

FA935 坂道での走行距離をより正確に

胸部心拍計なしでピッチや接地時間が測れる

次にご紹介したいのが「ランニングダイナミクスポッド」です。

ガーミンでは、3年前から、タイムやペースだけでなく、ピッチ、上下動、接地時間といったランニングダイナミクス(RD)と呼ぶデータの取得ができる機能が一部機種に搭載されてきました。 しかしこのRDデータの計測のためには、ハートレートセンサーHRM-Runという別売のベルト型心拍計を胸部に装着する必要がありました。この、胸に巻くベルトがキツくて苦手という方も少なくなかったと思います。 しかし、今回新発売のFA935では、もうベルト型心拍計を胸に付ける必要がありません。 FA935にはランニングダイナミクスポッド(RDP)という小さなセンサーが標準で付属していて、これをランニングパンツの背中側にクリップで付けておくだけで、RDの計測ができてしまうのです。

FA935 胸部心拍計なしでピッチや接地時間が測れる

走行中に画面を切り替えれば、RDのデータが2ページにわたって詳しく表示されます。

FA935 胸部心拍計なしでピッチや接地時間が測れる FA935 胸部心拍計なしでピッチや接地時間が測れる

1ページ目には、接地時間=GCT、GCTバランス、ピッチの3つが、2ページ目には上下動、上下動比、歩幅の3つが示されます。
ちなみに上下動比とは、歩幅に対する上下動の割合(%)のことで、低いほど優秀とされます。

これまでRDのデータが欲しいと思っても、胸に付ける心拍計が好きではないので諦めていた、という方には朗報です。

十分すぎるページ数とロングバッテリー

735XTJに対して935が圧倒的に優れているポイントについて、あと2つ挙げておきます。

ひとつは、アクティビティ中に表示できるカスタマイズ可能なページ数が、FA935は10ページもあるということです。920XTJや735XTJの最大表示ページ数は4ページです。それが従来のForeAthleteシリーズの限界でした。それでも結構十分だったのです。
ところが、935ではいきなり10ページも表示できるというのだから驚きです。最初に935を手にした時には、何を表示して見たら良いのか、ハッスル社員もすぐには思い浮かびませんでした。
ですが、935では、垂直方向への移動速度を表す「昇降速度」や、自動ポーズをオンにしている時にタイマーをスタートさせてからのトータル経過時間がわかる「経過時間」、現在のラップだけの平均心拍数がわかる「ラップ心拍数」、さらには「校正気圧」や「バッテリーレベル(残量)」など、これまでのForeAthleteには無かったさらに幅広いデータ項目が追加されています。

FA935 十分すぎるページ数

こうしたデータを徐々に追加しながら、さらに見易さを基準に1画面に表示する項目数を調整しながら、自分だけの使い勝手の良い画面設定を極めていただければ良いのかと思います。

そしてもうひとつ特徴的なのが、バッテリーの最大稼働時間でしょう。
FA935は、GPSと光学式心拍計をオンにした状態で、最大21時間の連続稼働を謳っています。
735XTJが最大14時間ですから、ウルトラマラソンなど10時間を超えるレースに頻繁に参加するというランナーならば、935の方が圧倒的に安心できるのは言うまでもありません。

今回は、735XTJと比べた場合の935の優位点についてご紹介しましたが、次回の「走って発見」では、より使い易くなった935の操作性や、ちょっと気になる機能などについて見ていきたいと思います。

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