ForeAthlete 235J 24時間心拍計測で何がわかる?(速報レポート4)

今回のForeAthlete235J 速報レポートは、ガーミンのGPSウオッチとして始めて搭載された24時間心拍計測の機能についてご紹介します。
これまでのランニングウオッチは、電極式(胸部型)にしても光学式(手首型)にしても、ランニングモードにしている時だけ心拍の計測を行うことが可能でした。
そこに登場したのが235Jです。
心拍計の設定を自動にしておけば、腕に装着した時に勝手に心拍を読み取って記録します。つまり、寝ている時も含めて24時間、心拍計測が可能ということです。
時計の画面から一枚めくると、以下の写真のような心拍数に関するデータを集約した画面が表れます。
左上の大きな数値(♥78と表示された部分)が「現在のリアルな心拍数」です。その下には過去4時間の「最低心拍」と「最高心拍」の値(低:54、高:160)が表示されています。単位はbpm(beats per minute=1分間の拍動数)です。

ForeAthlete235J 心拍グラフ

その下のグラフが、“過去4時間”の心拍数の変動を表しています。
グラフ左側半分くらいが平坦になっているのは、就寝時の記録です。ちょうど真ん中あたりで心拍数が動き始めた部分が、起床した時点になります。
寝ている間も少しだけ山になっている箇所が2カ所見られます。寝返りでも打っていたのでしょうか?
この過去4時間の心拍数がグラフになって見られるというのは、いままであまり意識していなかったことが可視化されるという点で、とても参考になります。

起きた直後はゆっくり歩いたり座ったりしていたのですが、着替えたあとに脚立に乗って高いところにある荷物を取っていたら心拍が急に上がり、最高心拍が160と記録されました。
すぐに下がりましたが、やはり起床後すぐにはあまり激しく動かない方が良いのかもしれないと思いました。戒めにもなる素晴らしい機能です。

安静時心拍数ってナニ?

さて、もうひとつ気になる数字が、リアル心拍数の右に示されている「RHR」という表記です。
これは、Resting Heart Rate=安静時心拍数と呼ばれるものです。
読んで字のごとしで、動かずじっとしている時の心拍数のことで、一般的には、朝起きて横になったまま自分で脈拍をとって求めたりしている心拍の値です。
ForeAthlete235Jは、この安静時心拍を、普段の生活の中で、時計を付けておくだけで計れてしまうのです。しかも、意識してじっと横になっている必要もありません。

「安静時心拍って、今までで一番低かった最低心拍のことじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ガーミンでは次のように定義しています。
ForeAthlete235Jの画面に現れている「最低心拍」は過去4時間の中での瞬間的に一番低い値であるのに対して、RHR(安静時心拍)は過去のすべての記録をもとにして適正と思われる数値を導き出しているのです。さすがにガーミン、抜かりがありません。
だから、安静時心拍が、最低心拍よりも高くなったり、低くなったりすることもあるわけです。

ForeAthlete235J 心拍グラフ2

ちなみに、安静時心拍(RHR)というのは、運動をする人の方が低くなる傾向があります。一般的な人のRHRは60〜80bpmと言われているのに対し、アスリートは40〜60bpmくらいの方が多いそうです。
スポーツによって心臓のポンプ能力が高まると、1回の拍動で送り出せる血液の量が多くなるため、少ない拍動数でまかなえるという理屈とのこと。どうやら、RHRはスポーツの能力の目安ということにもなりそうです。

心拍ゾーンで目的に合致したトレーニングを

ここで「じゃあ安静時心拍数が分かったら何が得なの?」っていう疑問がわいてきますよね。
ずばり、安静時心拍と最高心拍をもとに「心拍ゾーン」を設定することで、指標を明確にしたトレーニングが行えるということです。

運動には、目的とする効果に合った、適正な運動強度というものが存在します。心拍ゾーンとは、目的とする運動の効果を達成するために、心拍数とトレーニングの運動強度を対比させ、その目安を提供するものです。
ガーミン製品に付属の操作マニュアルには、心拍ゾーンの強度の目安が参考表として記載されていますので、詳しくはそちらをご参照いただきたいのですが、ガーミンでは、目標心拍ゾーンを、リラックス(ゾーン1)、イージー(ゾーン2)、モデレート(ゾーン3)、ハード(ゾーン4)、エキスパート(ゾーン5)という5つに区分けしています。

例えば、マラソン向けの持久力を効率的に伸ばしたい場合には、ゾーン3が適していると言われています。
そこで、まずガーミンの画面上で心拍ゾーンゲージを見られるように設定して、トレーニングの際には、現在の運動負荷を表す矢印が、目的とするゾーン3の領域(写真のグリーン・ゾーン)を出ないよう、ランニングの強度を調整します。

心拍ゾーンゲージ

ちょっと難しくなりますが、自分に最も合った心拍ゾーンでトレーニングを行うために、ゾーンの基準という項目をぜひとも「心拍%HRR」に設定されることをお勧めします。
また?な言葉が出てきましたが、ゾーンの基準設定に関する詳しい話しについては、長くなりますので別の機会に譲りたいと思います。詳しいことは、ハッスルオリジナル「ガーミンGPSウオッチ 使いたおし読本 for ランニング」でもご紹介しています。

<追記>
ちなみに、心拍ゾーンの項目で、安静時心拍数を “平均安静時HRを使用” に設定しておけば、最適な安静時心拍数の値が自動で更新されるようになります。

ForeAthlete 235J の商品詳細ページ、ご購入はこちらです。

ForeAthlete 235J 鮮やかなカラーと心拍計の使い勝手(速報レポート5)

関連記事

走って発見 走って発見 記事一覧