昨年の例から学ぶ東京マラソン
<前編> 会場入りからハーフ地点まで

年が明けて1月も後半になると、いよいよ1か月後に迫ってくるのが東京マラソンです。
もう何回か走ったという方もいるでしょうし、今年が東京マラソン初参戦という方も少なくないでしょう。
そこで、ハッスル社員が昨年走った時に撮影した写真をもとに、東京マラソンの詳細を2回に分けてご紹介したいと思います。少しでも初参戦の皆様のご参考になると嬉しいです。

緊張の会場入り、綿密な準備を

まずはスタートポイントまでの様子をご覧いただきましょう。
絶対に忘れてはいけないのが、計測チップの装着です。最近のレースでは、ほぼこれが標準になってきているので、ほとんどの方がご存知でしょうが、2本のビニールタイ(針金が入っていてねじるやつ)でシューズの靴ひもにしっかり止めましょう。印字されている番号も自分のゼッケンと同じかどうか確認します。

東京マラソン2015の計測チップ

スタートポイントとなる東京都庁に着くと、ランナーだけが入れるエリアの数カ所にセキュリティゲートが設けられています。ここから先は一般の方は入れません。
昨年は、ゼッケンナンバーにより割り振られた「ブロック」ごとに、入れる入場ゲートが指定されていました。都庁を中心に東西南北に分散して6つのゲートが作られていました。
今年はどうなるか分かりませんが、「JRの新宿駅に行けばいいんでしょ?」なんて軽い気持ちで到着すると、あとで痛い目に合うかもしれません。
自分がどのブロックから入るのかを事前に確認して、最寄りの方角から向かうよう綿密にチェックしておきましょう。
写真は昨年の新宿パークタワー寄りの入場口であるゲート4の模様ですが、陸橋の下あたりに数台の金属探知機が設置され、ここで厳重な荷物チェックが行われていました。
開場時間は7時00分から8時30分までのたった1時間半のみ。この手荷物チェックエリアの前は列に並ぶ人で結構人だかりがしていますので、会場内に入れるまでに10分から20分はかかると見ておいた方が良いでしょう。

入場ゲートでの荷物チェック

そして、昨年はペットボトルの持ち込みは一切できませんでした。持っている人は全部ここで没収されていました。サプリメントなど袋入りのものは持ち込み可能でした。
今年も同様のルールになる可能性が高いので、十分に気をつけましょう。レース中に水分を持参して補給したいという気持ちは分かりますが、ここはスパッと割り切って、水分は2〜3kmごとに設置されている給水ポイントで摂ることにしましょう。
荷物チェックが終わると、チェックを完了した証としてバッグにシールを貼ってもらえます。

チェック完了シール

次は手荷物を預けます。
事前に写真のような専用のビニールバッグが送られてきますので、ここに同封されている自分のゼッケンナンバーが印字されたシールを貼ります。
荷物はすべてこの専用の手荷物預け袋に入れないと預かってくれないので、注意しましょう。
ここで預けた荷物が、ゴール地点である東京ビッグサイトまで運ばれます。

東京マラソン参加者に事前に送られるビニールバッグ

写真は、手荷物預けのトラックが並んでいる様子です。新宿中央公園の前の道路に中央分離帯を挟んで並ぶトラックの数は、実に50台以上。壮観です。

手荷物預けのトラック

必ず自分の手荷物預け用シールに印字されている番号のトラックに持っていきます。
トラックへの荷物預けの締め切りは、スタート40分前の8時30分と以外に早いです。しかも一度預けるともう取りには戻れないので、忘れ物が無いか、あるいは預ける荷物に入れ忘れたものが無いか、自分の装備をしっかりと確認した上で、一発でトラックの係の人に渡しましょう。

さて、スタート前に気になるのがトイレです。一旦整列エリアに入るとなかなか戻りにくくなるので、列に並ぶ前にもう一度だけ済ませておきたいですよね。
近年は、スタート近辺にあるトイレの数もかなり増えたようで、以前ほどの混乱状態にはなっていないようです。

スタート近辺のトイレ

しかし、荷物預けのトラックの受付が締め切られる8時30分頃には、トイレはかなり混雑してきます。しかも、整列エリアへの入場は8時45分なので、早め早めの行動がおススメです。
号砲の時間が近づいてきているのに、まだ整列エリアに入れないというのは、それだけで焦りますし、8時45分になるとエリアのゲートが閉ざされてしまいます。そうなると大変!全てのランナーの最後尾に回ってスタートしなければいけません。まさかと思われるかもしれませんが、係の人たちは結構厳しく、マジでそういうハメになります。
ですので、自分のスタート地点に一番近いトイレがどこにあるのかを、事前に送られてくるプログラムを見てしっかり確認しておき、8時半くらいにはスタートエリアに入れるよう早めの行動を心掛けることをお勧めします。そのためには、どこの駅で下りて、会場に入るまでどのくらいかかるかを計算しておくことも大切です。

入場間近のトイレの行列

スタートの整列へ

いよいよスタートが近づいてきます。
Aブロック、Bブロックくらいまでなら、スタート地点にいる都知事の姿も見えるでしょうが、Cブロック以降になると、スタート地点で何が行われているかはスピーカーから聞こえる音でしか伝わってきません。ですが、ここは落ち着いて号砲が鳴るのを待ちます。
30分以上も何もせずに寒い中で立ち尽くすことになりますから、防寒対策はしっかりと考えておきましょう。
最近は、寒さをしのぐために、使い捨ての雨合羽や穴をあけたゴミ袋を着用している方々を多く見受けるようになりました。ハッスル社員もそうしています。

スタート地点

しかし、それをスタート地点に投げ捨てていくのは絶対に禁物です。写真をご覧いただくと分かるように、道路脇の植え込みはまるでゴミ箱です。他の人が捨てているから自分も良いだろうという軽い気持ちで置いていくのでしょうが、これが風で飛ばされて道路に落ちると、後からランナーの足に絡み付くのです。ハッスル社員も、この雨合羽に足を取られて転倒しているランナーを目にしました。後から来るランナーまで連鎖的に巻き込まれたら大事になります。
邪魔なのはよく分かりますが、レインウェアを着用していく方は、しばらく自分でしっかり持って走って、必ず次の給水ポイントのゴミ箱に捨てるようにしましょう。最初の給水ポイントは飯田橋駅手前の5km地点です。

道路脇のゴミ

さあ、スタート!大歓声が待っています

9時10分にスタートの号砲が鳴り響きます。
六本木男声合唱団が高らかに謳う都庁正面玄関前のスタートゲートを通過するまでは、ほとんど歩きの状態が続くかもしれません。
スタートラインを超えると、周りのスピードが上がってくるので、前の人につまずいたり、後ろから来る人に押されたりしないよう、うまく流れに乗りましょう。

東京マラソンスタート

スタートからしばらくは大観衆の応援の中を走り抜けていきます、最初は道幅がさほど広くないところもあるので、接触に気をつけましょう。なかなかスピードに乗り切れないですが、まだまだ我慢です。身体を暖めるくらいのつもりでユッタリ行きましょう。
大きなカーブを2回ほど曲がると、靖国通りに出ます。すぐに新宿大ガード下を抜けますが、この手前が1km地点です。

1km地点

靖国通りは左右6車線を全面通行止めにして、すべてがランナーで埋め尽くされますので、ものすごい開放感です。道幅がとにかく広いので、余裕を持って走れるはずです。これが飯田橋まで続きます。
コースは緩やかな下り坂になっていますので、ここであまりスピードが出過ぎないように要注意です。

靖国通り

4km付近の防衛庁前には、陸上自衛隊の音楽隊の皆さんが応援の演奏をしてくれています。耳にも心地よく、頑張ろうという気持ちにさせられます。
下り坂もこのあたりで終わりです。ここからはいよいよ本番の走りを見せる時です。

陸上自衛隊の音楽隊の皆さん

飯田橋駅の少し手前に5kmの給水所が現れます。まだ喉は渇いていないと思っても、後々のために一口だけでも喉に通しておくと良いでしょう。しっかりペースを落として、ボランティアの皆さんに御礼を言いながらカップを受け取りましょう。

5kmの給水所

飯田橋の駅を右手に見ながら、大きく右にカーブして目白通りに入ります。
このカーブは道幅もかなり広いのですが、内側に入ると人も多くスピードも落ちるので、なるべく外寄りにコース取りすると曲がり易いでしょう。

飯田橋駅付近のカーブ

飯田橋一丁目の交差点を左折します。ここも道幅は広いですが、外寄りでペースを落とさず抜けましょう。

飯田橋一丁目の交差点

この後、首都高速の下をくぐって今度は右折。皇居ランナーにはお馴染みの竹橋交差点に向かいます。このあたりが7kmです。

約7km地点

沿道では、さまざまな応援の皆さんが奮闘しています。こうしたパフォーマンスも十分に楽しめるよう余裕を持って走りましょう。

沿道からの応援

竹橋交差点、毎日新聞社前です。ついに皇居内堀通り出ました!

竹橋交差点

内堀通りに出てすぐ、気象庁前の公設トイレです。まだちょっと並んでいるかな? ハッスル社員はここで6分ほどロスしました。

気象庁前の公設トイレ

皇居外苑で、皇宮警察音楽隊の皆さんが吹奏楽の応援で出迎えてくれます。
このあたり、道幅が少々狭くなってきて込み合った雰囲気になってくるので、演奏に見とれて転ばないよう周辺に十分ご注意を。

皇宮警察音楽隊の皆さん

10km地点を通過、最も単調な直線エリアに

祝田橋交差点を左折。10kmランはまもなくフィニッシュのため、ここでルートが分かれます。コースを間違えないように。

10km地点

すぐに日比谷の交差点を右折して、今度は日比谷通りに入ります。
ここから品川を折り返して戻ってくるまでの約10kmは、比較的単調な直線コースとなります。間違いなく前半の我慢のしどころです。

日比谷の交差点

レース中のペース管理にガーミンは必須です。さらに心拍数が把握できれば、自分のカラダの調子を客観的に見ることができます。ちなみにハッスル社員はForeAthlete920XTJとハートレートセンサー(心拍計)を装着して走りました。10km近辺では心拍数は164でした。

ForeAthlete920XTJ

10km過ぎの給水ポイントです。ボランティアの皆さんも忙しそうに立ち働いています。

10km過ぎの給水ポイント

AED を背負ったスタッフの方が頼もしく見えます。

AEDを背負ったスタッフ

11km地点。このあたりまで来ると、すでに折り返してきた先頭集団のランナーとすれ違います。皆さん速い!

11km地点

地下鉄御成門駅前に差しかかると、東京タワーが見えてきます。東京マラソンらしい風景のひとつです。
この年は生憎の薄曇りで、上の方が霞んで見えていましたが、晴天ならば絶景なことでしょう。

東京タワー

12km地点を過ぎると右手に増上寺が現れます。時々、僧侶の方が応援している姿も見られます。

12km地点

三菱自動車の本社ビルが目の前に見えて来ると、ここからが第一京浜です。折り返し地点まであと約2km。

三菱自動車の本社ビル前

おおっ!!警察の方まで走っている。これが噂のランニングポリス!!何と64人の精鋭メンバーが私たちと一緒に走ってくれているのだそうです。安心しますね。

一緒に走ってくれている警察の方

泉岳寺の駅前、コース左手に、山手線に沿った大きな土地が見えてきます。ここには、東京オリンピックまでに30番目の山手線の新駅が出来るそうです。
今は、このあたりの沿道の応援は比較的少ない方ですが、新しい駅が出来たら、応援ムードもまた大きく変わるのでしょうね。

山手線の新駅予定地

前を走るのは、ももいろクローバーZ!! いや、しかし、妙に肩幅が広いし、全体的に大きい。前に回ったら、何とみなさん男性でした。
こんな仮装集団も、東京マラソンならではです。

ももいろクローバーZの仮装をしたランナー

品川で折り返し、一路銀座へ!

そして、品川の折り返し。日比谷から来た道を今度は逆におよそ5km戻ります。さすがターミナル駅! 観客の数も急に増えました。

品川の折り返し地点

東京タワーまで戻って来ました。単調な道が続くので、少ししんどくなってくる頃です。ここまでの総距離は18km少々。ハーフまであと少し頑張り時です。まだそんなに疲れていないと感じるでしょうが、油断せず補給はきちんとしておきましょう。
左にチラッと見えるのは、芝のプリンスパークタワーホテルです。

約18km地点の東京タワー

おー!お医者さんも走っています。イザという時は宜しくお願いいたします!! 東京マラソンってスゴいですね。

一緒に走ってくれているお医者さん

帝国ホテル前です。ここがおよそ20km地点です。給水ポイントがありますので、水分はしっかりと摂ること。

20km地点の帝国ホテル前

スタートからのタイムを表示している車、なんとBMWなんですね。オフィシャルスポンサーでした。

タイムを表示している車

日比谷の交差点まで戻ってきました。ここを大きく右にカーブすると、いよいよ銀座に突入です。

折り返し後の日比谷の交差点

遂にハーフ地点を通過です。JRの高架の先には有楽町マリオンも見えてきました。沿道の応援の人たちが最も多くなるルートです。気合いが入ります。

ハーフ地点

さて、レポートの前半はここまで。次回は銀座からゴールの東京ビッグサイトまでをご紹介します。

昨年の例から学ぶ東京マラソン<後編> 銀座、日本橋、浅草を駆け抜ける!

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