GPSウオッチ徹底検証!ナイキとガーミン <最終回>
操作性と使い勝手「アプリ編」

Nike+ SportWatch GPSとGarmin ForeAthlete 610の比較レポートも今回で終了です。データ管理用のWEBアプリの操作性と使い勝手についてです。

データ管理用のアプリについては、両方のウオッチを同時に装着して、皇居を2周走ってきたデータの記録画面を見ながら比較しました。
ちなみに、それぞれの走行距離のデータは右図のとおりです。ご覧のとおり、ほとんど違いがありません。しかも今回のデータは、走ったルートの正確な距離が分からないので、比較の対象にはならないと思います。そもそも皇居周回路の距離は5kmに若干満たないという情報も聞きますので・・・

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(1)WEBアプリの画面

ナイキ:
データ管理アプリ「Nike+」は、シンプルで遊び心溢れています。楽しい!ライトなムード!ってな感じです。ただ、Flashで人が走るグラフィックが入るので、毎日見るとなるとスキップしたくなるかもしれません。

個人的には、プログラムの構造と画面構成が、パッと見て理解しづらいと感じています。毎日使うということを前提にするなら、もうちょっと少ないクリックで全体を把握できるような見え方になっていると嬉しいなと思います。

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ガーミン:
「ガーミンコネクト」は詳細データまでしっかり一覧で見やすいように考えられたクールなデザインです。
プロフェッショナルなイメージが伝わってきますが、操作が分かりづらいということはほとんどありません。

次の練習プランに反映させるために、ラップタイムの推移などを見て自分の弱いところを分析したいという場合に威力を発揮しそうです。

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(2)表示項目

ナイキ:
Nike+の履歴画面では、走行データのうちラップ距離が表示されないという点が物足りないと感じました。本体でもラップ距離を見ることはできません。時間走でポイントごとにラップを切った時などに、後からポイント間の距離をストレートに見られないのは残念です。

ガーミン:
ひとつの走行データごとに個別にタイトルを入力できます。タイトル別に並び替えができるので、参照したいデータをすぐに呼び出せます。実際に使ってみるととても便利な機能です。

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(3)トレーニングプログラム

練習のためのメニューについても、ナイキとガーミンForeAthlete610では基本的なスタンスが異なります。

ナイキ:
ナイキではパッケージ化された、おまかせトレーニングメニューが、初心者向けから上級者向けまで数種類用意されています。
ある程度長期間にわたって、ゲーム感覚でモチベーションを維持しながら練習をこなしていく作りになっています。右の写真は28週間のフルマラソン向けトレーニングメニューのトップ画面です。スタート日を決めれば、あとはいつ何キロ走るのか、どのように走るのかを週単位で指示してくれます。それに沿って進んでいけば、目標を達成できるというメニューになっています。ゲームをクリアしていく感覚があり、楽しそうです。

ガーミン:
一方ガーミンには、インターバル設定などを行う「ワークアウト」という機能が用意されています。これは長期間の練習メニューを管理するものではなく、自分のレベルに合わせてスピードや距離などの数値を設定して、個々の練習内容を完全カスタマイズ方式で組み上げていくというものです。 右図は、ガーミンコネクトでインターバル練習を設定した画面です。

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自分でメニューを作るので最初は取っ付きにくいかもしれませんが、この機能のすごいところは、練習場所さえ見つかれば、「ビルドアップ練習」や「インターバル練習」を自分ひとりで行えてしまうという点です。 あとは設定したプログラムを、ガーミンForeAthlete610本体にUSBを経由して無線で飛ばすだけ。練習の時にそのプログラムを呼び出せばすぐに練習を開始できます。 ナイキがシンプル機能仕様とするなら、ガーミンは中級上級ランナー対応フレキシブル仕様とでも言えばよいでしょうか。

さあ、いかがでしたでしょうか?
いろいろ比較してきましたが、ご自分がGPSウオッチを購入しようと思っていらっしゃるのでしたら、最終的には自分が何を求めるのかで決まります。

最後にご紹介したトレーニングプログラムにしても、ナイキはおまかせメニュー、ガーミンは完全オリジナルプログラム、という大きな違いがあります。

そもそも、今回比較した2台は価格が大きく違います。

機能は多くなくてもいいから手軽にシンプルにGPSウオッチを使ってみたいという方はナイキを。自分の走りの弱みを分析して、レベルに合わせたトレーニング設定をやっていきたいという方はガーミンForeAthlete610を。というのが、ひとつの判断の目安になるのかもしれません。

今回は対象にしませんでしたが、ガーミンにもForeAthlete110という廉価版のエントリーモデルがあります。今回ご紹介した機能のいくつかは110でも利用できます。またゆっくりリサーチの機会を作ってみたいと思います。

自分のランニングスタイルに合っているGPSウオッチを検討する一助となれば幸いです。
長いレポートにお付き合いいただきまして、ありがとうございます。

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